本システムでは、箱罠の扉が閉まる際に発生する衝撃・振動を高精度に検出し、その情報をLTE通信を介してリアルタイムに送信します。
従来主流であった赤外線センサーや磁気センサー方式とは異なり、箱罠本体への改造を必要としない振動検出方式を採用することで、設置性と汎用性を大幅に向上させました。
センサー部には、振動センサー、LTE通信モジュール、GPS、バッテリーを防水・耐衝撃性に優れた筐体に一体化して搭載しています。
これにより、ベルトや針金による簡易固定だけで、形状の異なるさまざまな箱罠に取り付けることが可能です。
また、捕獲検知信号に加えて位置情報や装置の稼働状態を送信できるため、
・捕獲の即時把握
・設置場所の確認
・装置異常や破損の早期発見
といった運用面での利便性向上にも寄与します。
バッテリー駆動においては、当社が保有する低消費電力化に関する特許技術を活用し、非商用電源環境下でも数か月以上の運用を可能としました。
これにより、山間部や電源確保が困難な現場においても、実用的な運用が可能となっています。
クマ被害対策の最前線である秋田県の実情を踏まえ、「誰でも設置できること」「壊れにくいこと」「誤作動しにくいこと」を重視して設計しました。
本センサーユニットは、コストパフォーマンス、可搬性、汎用性を兼ね備えた全国展開可能な箱罠向けセンサーとして、『BAL』ソリューションの中核を担っています。
LINEを使用したクマ対策ソリューション『BAL(Bearbox Alert via LINE)』について、2025年12月23日に実機デモンストレーションを行い、ニュース・記事として取り上げていただきました。
・“オール秋田”で開発!LINEでクマの捕獲情報を伝える最新システム 年明けから各市町村で実証実験 利便性高め全国に“秋田モデル”として発信へ|ABS NEWS NNN
・秋田県内企業、クマ捕獲通知システムを開発 「秋田発の技術を広めていきたい」|秋田魁新報電子版
・クマが箱わなに入ったらLINEで通知するシステム開発 「オール秋田」で自治体や猟友会の負担軽減めざす | AABニュース
『BAL(Bearbox Alert via LINE)』開発チーム
・箱罠メーカー:株式会社 北日本鉄工
・振動検知&通報ユニット開発:株式会社 ケーエンジニアリング(当社)
・通報運用システム開発:株式会社 アキタネット
・センシング技術支援:秋田県産業技術センター